2017~2021/9

新築時から気になってしまった部分を解消したいと初めて相談を受けたのが数年前。

とりあえず見せてもらうと、開放的な空間構成でシンプルにまとまった綺麗な住宅。問題がある家とは感じなかったですが話を伺っていると、計画段階での比較や一長一短の説明が少し足りなかったのかなと想像する。

このときは、施主の想いは理解できるのですが、ほぼ新築並みの新しい住宅のため、手を入れるべきではないと判断し、子供の年齢などの諸事情も踏まえ、10年くらい先の計画にしてはとお話ししました。そこから一時は売って新たな場所で新築の検討もするなど、紆余曲折を経て内装改修を行うことになり、何度も打合せを重ねながら徐々に計画を詰めていきました。

玄関・階段・吹抜けが一体の既存空間に、新たに
ワークスペースを差し込み、階段を反転すること
で動線を少しだけ変更し、空気の流れや光が透け
るようにゾーンを仕切り一体感を残した。更に造
作のアイランドキッチンや洗面化粧台を新設する
ことで、家族の成長やコロナ禍による社会変貌に合わせて、暮らしの再構築を試みたリノベーション住宅となりました。
クライアントが新たな空間で暮らしを楽しんでくれたら嬉しい。

家造りでは計画段階から暮らしを想像して細部まで完璧に決められる施主はまずいません、また予算にも限界があるため、重要な部分にだけ意識を向け、その他は完成した空間に暮らしを合わせていくことになりがちです。だからこそクライアントの価値観や希望を正確に把握する必要があり、コミュニケーションが大切になります。より満足度を高めるために、後悔を残さないために、できるだけ時間をかけた家造りが大切だと、私は考えています。